【今回の走行:Rapid-R】
平均:23.2km/h,最高:70.9km/h,距離:620.68km,累積標高:5,510m

先月の九頭竜に続き今度は八岐大蛇、神話級怪物ブルベ(?)600です。
AJ広島の拠点、道の駅福富から人形峠を越えて鳥取に至り、そのまま鳥取県を貫く様に走り島根は奥出雲の八岐大蛇に向かいます。

既に梅雨入りして雨は必須の中国地方、果たしてどんな道が待っているのやら。

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▽プロローグ

広島のスタートはこれまでと一緒の道の駅福富。ウチから山陽道を経由して途中SAでトイレ休憩して1時間半で到着できます。スタートが6時だから30分前には受付しておくとして家を出るのは3時50分。

3時10分にアラーム鳴らして起きて、コーヒーを入れて昨日買ってあったパンを一つ食べて身支度。自転車や荷物はあらかたクルマには積んであるので用意するのは着ていく服=ジャージと身の回り品(財布、デジカメ、携帯、首掛ポーチetc)にボトル。そう、今回はCAMELBAKを投入して背負いのハイドレーションを使います。ドイターのrace(容量10L)に氷水を入れたCAMELBAKを準備。

出発は4分ほど遅れましたがまぁいいでしょう。玉島ICから山陽道に乗って西条ICで降りて道の駅へ。SAには寄らなかったのでその分早くには到着しました。

 道の駅の第2駐車場
もう明るいのでスタートのライトは点灯不要。日が長いこの時期は600kmの長丁場には好適です。
今日の参加はあまり多くはなくて出走は23名だそう。
それでもこのように応援フラッグを用意して駆けつけてくる人もいます。アツいです!

 んふんふ!
さあ今日もととろ走りますよ。じゃなくて興味の先はハンドルに固定されたGoProの方。

(スタッフ撮影)
そろそろブリーフィングが始まりますよ。

AJ広島代表T田@さんによるブリーフィングです。キューシートに沿ってコース注意点の説明がされるわけですが・・・

今回は注意地点の地図映像(おそらくGooglemapの写真)を貼り出してあってそこの進行のしかたをわかりやすく図示してありました。これは手がかかっているなぁ。つまらないミスコースで完走を危うくさせたくない主催者の心意気が伝わってきました。

ブリーフィングが終わったところで集合写真撮影。E原さんの背後霊になってみました。

(スタッフ撮影)
そして出発前にトイレに行ってすっきりしておきます。
出てくるとあらら、もう皆さんスタート済み。では見送りの皆さんに手を振りながら600kmの旅に出る事にしましょう。


(スタッフ撮影)

空は曇っていて朝日はなく、影も出ていません。すこし肌寒い感じがスタート気温としてはベストなコンディションです。

▽PC1:まさかの遭遇

しばらくは単独で進行します。
確か4月の300で通った道だったかな、下り基調にところどころ登りをちりばめた道を進んで行きます。
赤いGIOSのミニベロのこの方、まずここでパスしますがこの後幾度となく遭遇することになるとは。

信号がないのでどんどんと進んでいきます。
後ろに”りょうちゃん”と札をつけている、りょうちゃんさんですね。

そして隣に鬼太郎ジャージのこなきさん、その前に近畿のE原氏。先月の京都600はDNFしたのでここは押さえておかないと。

関東から遠征されてるAJ宇都宮10周年記念ジャージのランドナーの方、いつも同じコースじゃ飽きるからと広島まで来られたそうな。

と、人数多くないながら幾人かの出逢いを交えて東へ向かって快調に走ります。

目の前に左手から伸びた工事中の高速道の架橋、途中まで道に被さる様なこんな造り方をするのかぁと見上げてみたり。

世羅の街中はそのまま通過、今熊野の方も今日はまだ早過ぎてお店は開いていませんので先へ向かいます。

神石高原町に入りました。名前からして少ーし登る印象です。

短いトンネルを出て短い下り、多少のアップダウンを含んでの進行です。

さてPC1までは90キロ以上あるのでほぼ中間地点の上下で補給する予定にしていました。
数百mルートから外れる駅横のポプラ(前にPCになっていた)を考えていましたが、その手前ルート左にセブンイレブンを見つけたのでここで補給にします。
すぐにE原氏他数名も到着。

涼しいのでボトルもCAMELBAKも水分は十分足りているので、オレンジジュースを買って手持ちのパンを食べて簡単に補給終了、走り出します。

ついでなんで上下の町並ももう一回ちらっと見学して行こっと。

ルートの交差点にこなきさんが来たので「こっちこっち」とちょっとだけ上下のご案内。
角っこの御菓子資料館から旧街道を。青い暖簾に赤丸に白抜きされているのが”上下”のシンボルマークで、向こうの方に見えるとんがり帽子屋根が教会なんですよとか。
(岡山県人が広島県人に案内するってどうなん?)

ここからしばらく同行しますが途中でネタを発見して写真撮ってくというのでこなきさん分離。

少し登りに入って、あの300kmで雪が舞った油木峠にかかります。
うどん定食で温まったゆき峠食堂を通過。

ループを下って今通ってきた橋を見上げながら降ります。

R182はクルマも少なくやはり信号もほとんどなく、何より涼しくて風もなく絶好のコンディション。

晴れてなくて景色的にはイマイチだな〜と贅沢な愚痴をこぼしつつ、沿道の橋の眺めを撮ってみたりします。

青々と繁った山の木々に薄く霧がかかって。

そうして”難なく”というイメージでPC1に到着しました。
誰かいますね、ん?今日女性参加者いたっけな??

あらびっくり!S田さんではないですか!何してるんですかこんなところで? ウェアが今までと違うセンスだったのですぐにはわからなかった。メットからジャージ(どう見ても夜用の長袖)からシューズから今までと違う新しいコーディネイトですね。バイクの装備もPBPの時にはなかったトップチューブバッグにボトルケージのツールバッグが増えているみたいで(でも雨具はどこ?)
え?試走ですか。今朝何時頃出たんですか?え?昨日から??で、明日も走るんですか?
この少し前にPC1に到着した二人が聞いたところでは 『昨日から600kmほど走ってきて、あとまた200kmくらいは走る』 『次の600ですか? 大丈夫私みたいな普通のおばさんでも走れますから』(by 朝のり氏) という会話がされたそうで、600kmの序盤まだ走り始めて間がない参加者の心をぽきぽき折りまくった迷惑な話(笑)。

「ではお気をつけて〜」 とお別れして、こちらはゆっくりめに補給とします。

ただ昼食予定があと1時間ほどなので軽めでいいのです。

▽PC2:準ホームコース

走り始めてまもなく岡山県は新見市に入りました。

観光ポイントの親子孫水車が見えてきました、ちょっと寄って見ましょう。

右手に入って水車の手前まで移動。

親子孫というには親ばかりでっかいけど。水を受けてゆっくりと回っています。
あ、こっちもクランク回さないと。

民家もあまりない山間の道の交差点にぽつんとあるレストランしんごう(神郷、信号ではない)、ここには以前一度来た事あります。モロヘイヤうどん食べたっけ。

新見の市街地に入ってきたので予定通りここでお昼にします。有名どころのタイムのカレーは、ブルベ中には後の負担がきついので今日はパス。

目的地はスーパーの1Fの一角にある「いんでいら」、ブリーフィングで国道横の側道へ行く様に指示があったところの向かいにあります。予想以上に早く到着しているので開いてないかちょっと心配でしたが、店は9時から開いていたのでOKでした。

昔は”いんでいら”という名前の店が岡山のあちこちにありました。そしてその店の看板メニューが”えび飯”。黒っぽいソースで炒められたえび入りピラフというものです。岡山の”いんでいら”のほとんどは「えびめしや」と名前が変わってその名の通り”えび飯”を看板メニューにしています。
新見のこの店は昔の名前の「いんでいら」を引き継いでいてなんとなく懐かしく本家っぽい感じがします。ご当地メニュー、今日はこれで行きましょう。

店内は喫茶店風、店の奥はスーパーとつながっています。

えび飯とクリームコロッケのセットにしました。

えびはやや大きめでちゃんと”えび飯”してます。見た目ほど濃くない味も懐かしいなぁ。大盛りにしても良かったな、ごちそうさまでした。

新見から勝山までは姫新線に沿って東へ向かいます。
そうしたらその列車に遭遇、これは珍しいですよ。

時折その姫新線と交わって線路の下をくぐっていきます。

里山を抜けるのどかな道を走って行きます。富原駅前、風景の一部に溶け込んでいるおばちゃん。

ここから先はほぼ守備範囲の道なのでペースも自然と上がっていきます。

川沿い線路沿いの道をスイスイと漕いで勝山へ。駅前のローソンがPC2です。ここで昼飯休憩の人が座り込んでますね。すぐ裏の商店街にラーメン屋もあるし、300mほど東へいけば「つるや」もありますよ。

作業服のおじさんが何やらいるなと思ったらぐっちんさんではないですか。お仕事の合間に様子を見に来ていたらしい。ひらまつさんがこっちへ向かっているとの情報も得ていたと。

この土日は本来なら「しまなみサイクリング」でお休みののざきサイクルですが、天気予報が思わしくないため残念ながら中止となったそうで店は開いてるということなのでちょっと寄って補給物資を調達、更に勝山の通りを奥に入って前田製菓の酒まんじゅうを購入。

再びPC2のローソンに戻ってから出直します。いろいろ無駄に時間喰ってる気がするナ。
こなきさんとE原氏と合流して湯原へ向けて出発〜。

▽PC3:前半の山場

勝山からR313を北上、E原氏に先導してもらってます。

鄙びた真賀温泉郷、一度行ってみたい気がするけどいつも素通り。この先に足(たる)温泉もあります。

湯原まではだいたい道の具合もわかっているので無難にこなしていきます。湯原温泉郷への分岐のところから少し登りに。

トンネルをくぐりR313を右折、登り基調で中和村に入るとルートを100mほど右へ逸れていくと小学校が見えまして...

その隣のこの神社へ。

昨年やってきた中和神社(ちゅうかじんじゃ)です。
あの小惑星探査機「はやぶさ」で有名になった神社ですね。今回のブルベの無事完走をお祈り致します。そして先々月のフレッシュ6名完走の御礼にお賽銭60円(^^)。

隣に中和小学校。グランドの一角にある神社、というより神社の敷地内に小学校が出来たという順番でしょう。

これでブルベの無事は確保できたので、すぐ近くにある自販機でジュース一本飲んでルートに復帰。

鳥取県に入ってがっと下るのですがその途中で前を行くあずき色のこのクルマ、これは珍しい旧型トレノですか。
綺麗にしてあって旧車と思えないカッコ良さ。エンジン音も上質です。

下ったら右折して今度は登り返し。
勾配標識が出てる、7%ですね。はいはい登りますよ。

ここは10km/h切りつ越えつつギアは39Tx25Tで登れていけます。ん、この登坂時はCAMELBAKのハイドレーションが楽でいいぞ。下向いて腕を伸ばす動作がないし、飲み終わったらそのまま口からバルブを放すだけでいいし、いつもより頻繁に水分補給できてます。

しかし目安にしたい心拍の値が変。180以上になっているけどそこまでは上がっていないのに、と思ったら120にまで落ちたり200になったり、正常値らしき150になったり。センサバンドの位置を直してみてもさほど変わらず。う〜んセンサの電池がなくなってきたか?
辿り着いた人形峠。立ち止まって補給したり後尾灯を点灯させたり。

トンネルをくぐったら、再び岡山県へ戻ってきます。

岡山へ下る側の勾配の方がキツいな。
そして下り切ったら再びヒルクライム。

恩原湖への短い下り、勾配標識に斜度が書いてなくて”急勾配”ですと。(10%あるかないかくらい)

恩原を離れたら辰巳峠へ、こちらは天辺にかけてきつい感じでしたが何とかクリア。や〜れやれ、これで今日のシゴトは終わったゾ。

この先は鳥取県、再びです。下るぞ〜、とりゃ〜〜っ

峠道の下りを飛ばした後も下り基調でずんどこ進み、用瀬のポプラ、PC3に到着。こなきさん、E原さんに追いつきましたね。

メロンパンを食べてコーラ500mlを飲み、ボトルには麦茶、CAMELBAKには水を補充しておきます。
小雨も降り出しているのでとりあえずウィンドブレーカを着てしのいでいきましょうか。
鳥取市街地へ向けてスタート。

▽PC4:投げ釣りの記憶

千代川沿いの小高い丘の上にある河原城を左手に眺めつつ北上。
北上といっても川下へ下るので北下と言いたいところなのが山陽人にはちょいと違和感(笑)。

鳥取市内に入ってきました。
こなきさんは鳥取砂丘を見に行こうか、と言ってましたが...。


午後7時前で夕食にはちょうどいい頃合い、目星をつけていた湖山の村上水産鮮魚部に寄ります。夜は居酒屋系になっているんですが食事メニューもありますが...

あいにくカウンター席も一杯で満席だと。一人なので体よく断られたのかもしれませんがしかたない、また来ます。では次の手を、といってもご当地色のないラーメンなんですが。

「紺のれん」です。
塩ラーメンとマヨチャー丼のセットを。

あっさり系を想像してたら背脂たっぷりの濃厚系スープでした。味はそこそこおいしかったし食後にコーヒーもサービスなのは良かったけど隣の席の兄ちゃんがタバコふかし始めたので全てパー。
あ〜あ。

ともかくお腹は膨れたので気を取り直して出発しましょう。

そしてそのラーメン店を振り返れば道の反対側にみやま釣具、山陰の投げ釣り派には定番の有名釣具店です。
ここは遠いので来たくてもなかなか来る事少なかったのに、自転車でそれも広島から来るとは今さらながら意外だなぁ。以前の店と違いきれいに改装されてて益々繁盛しているのが伺えます。

日が暮れて見えにくくなって、クルマは多い時間帯なので注意レベルをupして集中して走行。

日が暮れてナイト&レインライド。

海岸に出るとそこは伏野海岸、ここもシロギス釣りに来たことがあります。最近はとんとご無沙汰してますが自転車の前は投げ釣り、それも砂浜からのキス釣りに嵌ってたんですよねぇ。
白兎海岸、宝木海岸と投げ釣りのポイント巡りのR9ライド。但し夜なので景色は見えませんが道路の感じはなんとなく憶えがあります。日中なら今日も投げ釣りで賑わっていたであろう海岸。

(余談:シロギスは瀬戸内海にもいて釣れますが、砂浜から投げ釣りで狙うには春以降は海藻が多過ぎて釣りにならないので岡山の海岸ではしません。海藻のないきれいな砂浜が山陰一帯にあるのでキス釣りマニアは山陽から山陰へ釣りに行くのです。玉野にシマノのコンストラクターも務めるほどの有名な釣り師がおられますが、その人も専ら山陰に来ていました。)

浜村海岸にやってきたところで左折、駅の方へ向かいます。
目的地は浜村温泉。

受付で「一階にしますか、眺めのいい広い二階にしますか?おすすめは二階ですが階段78段上がります。」
と聞かれ、まぁせっかくだからと二階を選択。どっちでも行けるんではないんですね。
で、このような階段をてくてく上がっていくのですが、使う筋肉が違うからなかなかキツい(笑)。

その二階の浴槽の大きな窓からは浜村海岸が一望できます。
あ、外は真っ暗なので何も見えませんがな。
ならばと誰もいない露天風呂に出て見ると、ぼうっとした月明かりにかすかに海が見えて遠くにイカ釣り船の漁り火が見えました。ああなるほど、これはオツだなぁという雰囲気もポツポツ降ってくる雨に消されてしまいます。雨の露天風呂はやっぱりイマイチなので屋内の浴槽に戻って温め直し。

疲れは半減してほっこりしたところでウエアを着直しますが、数字のおかしい心拍計はもう使わないことにしてセンサは付けません。センサ用電池CR2032の予備は持ってましたが交換には精密ドライバーが必要でそれは持ってないので電池交換できません。

ウエアを着て下に降りて、畳みスペースの休憩場所でオランジーナ一本飲んでから寝転んでしばらく休みます。眠れはしませんが目をつむって横になっているだけでもいくらか回復していきます。

一時間ほどの滞在で気分一新、これからナイトレインライドに突入です。GOREレインウエアを出してきてがっちり雨装備を固めてR9に戻り、海岸線を西へ。

海岸線は岬巡りのアップダウンがつきものなのですがそこはさすがに一桁国道だからか、その度合いは緩くて和歌山のR42みたいにきついことはありません。

泊(とまり)付近、反対車線のバス停みたいなところで一人仮眠してるのが見えました。
大山に入る前に仮眠を取るのがこのコースの正解パターンの一つです。

ハワイを通過、北条は海岸から少し遠ざかって山陰本線沿いを走り、再び海岸に戻ってきたら赤碕。
ここの道の駅ポート赤碕で休むというのを数人から聞いてたのでもう来ているかな?
道の駅の施設はもう閉まっているのですが、ここにはポプラがあるのでクルマの出入りはかなり賑やかなので、仮眠するにはちょっと邪魔、うるさいかもしれません。

PC4に指定されているポプラはそこからすぐ西に。

この先は補給が乏しくなるのでここでしっかり補給していきます。
どん兵衛特盛を平らげてコーラ500mlごくごく。途中の補給用にドーナツ3ヶ入を購入。

(後編に続く)