(前回からのつづき)

▽PC3〜PC4:野生

道の駅まんぼうを早々に出発して次はE原氏情報による最近できたらしい数キロ先のサークルKで補給にすることにします。
出てすぐに登坂、アップダウンというには標高100mくらいあって勾配も5〜7%が続くいっぱしの峠道にかかります。登っていると汗をかいてまだ暑い。登り切って下って、そのサークルK大紀町錦店がありました。なるほどこれはいい位置にあるかも。

120930pc3ck

補給といってもそうお腹空いているわけでもないので、ピルクルをごっくんと一本。
ボトルにはC1000レモンウォーターを入れてみます。
おっと、それから眠眠打破もここで投入。まだ眠気が来ていない今のうちに。
(0:28-0:43)

そこを出てからもう一回同じパターンで小さい峠越えをこなします。
それから去年からバイパスができて通りやすくなったところを越えてから...

左側の山手の薮の中から物音がするようになってきます。

カサカサカサ... と音がしているうちはいいものの、次に薮の中へ消えて行く白いもの、それは鹿のおしりです。
ブルベの夜間走行中に鹿を見る事は珍しくないし、と思っていると

バサッバサッ

と大きな音がしたと思ったら今度は鹿が3頭ほど並行して走っている!ぅぉわぁ〜と大声を上げて威嚇して逃げる!あぁびっくりしたぁ。

民家がぽつぽつ見えてきてコンビニまであと数キロ、やれやれ鹿に踊らされて眠気どころじゃなかったよ。

と安心したところで目の前1mほどをでっかい鹿がタタタッと横切る。ぉぅぁわぁ〜〜

あっぶね〜。

以前近畿代表が試走時に鹿とぶつかってDNFした区間だということを改めて思い知らされました。

PC4は以前PCだったファミマを通過して去年からもう一つ次のファミマになっています。

120930pc4

120929pc4

店長さんに台風状況を教えて貰いおでん食べます。ボトルにはソルティライチを。
眠気も出てきたので壁にもたれて目を瞑って、何か夢をみたような気がしたので少しだけ寝ていたらしい、20分弱の仮眠か。(3:25-3:54)

▽PC4〜PC5:夜明けの晴れ間

次の通過チェックのサークルKまでは10kmちょいなので30分少々で到着。

120930pc5cupmen

なんとなく味噌ラーメンな気分になったので早い朝食でカップラーメン。
フタをして時間待ちしていると、近所のおばさんか何かくちゃくちゃ喋っている声が聞こえてきます。こんな朝早くまだ夜が明け切らないうちから元気だなぁ。
すぐにM&Mコンビがやってきました。あ〜そういうことなのね。

しかしここで補給するのはイマイチ、PC4からちょっとしか離れていないので補給するならどちらか一方にして片方はさっさと済ませるのが効率いいから。(4:28-55)

120930pc5535

そろそろ空に明るみが出てきました。すぐに鳥羽市内へ入り道路が広くなり信号も出てきて急に都会に来た様な錯覚、鳥羽水族館に鳥羽の駅前の広い道路。
ルートは海岸沿いの二見ではなくて近鉄沿いに丘越えを行きます。それを下ったら再び町の中へ、伊勢神宮(外宮)に。昨年と同じく入口で写真におさめておきましょう。

120930pc5isejingu

時間はちょうど朝6時、ポツポツと人の姿も見えます。
市街地を抜けて宮川を渡り

120930pc5ise

晴れて明るい青空、ほんとに台風が来るのかと疑いたくなる気持ちいい陽気の朝の快適サイクリング。

120930pc5cirk

PC5に到着、にわとりの絵の看板があるサークルK。
ここでも朝食にサンドイッチを食べたりしてわりとのんびり、しっかり補給。
道は右折する格好で高見峠方面へ向かいます。(7:05-36)

▽PC5〜PC6:台風

しばらくは平坦〜2%ほどの僅かな登り基調、里山の田園風景を横目に進んで行きますと正面の空の雲行きは怪しくなってきました。そろそろやってくるかと身構えていきます。

途中にある道の駅飯高駅でトイレ休憩、ここは温泉もありますが時間はまだまだ早いので開いていません。
誰かいると思ったらO田代表と昨日ブリーフィングしてたM脇さん2名が待機して台風情報など参加者にアドバイスしている模様です。

120930pc5iidaka

一言二言あいさつして出発。(8:25-31)

路面の濡れ具合がだんだんと多くなってきました。直前に降っていたみたい。

120930takami0higan

ほどなく雨が降り出しました。小雨ではなく本降りからすぐに土砂降りに、さあ来たぞ!
屋根があるところを見つけて緊急避難。
ここから先はもう止む事はないので覚悟を決めてGORE-TEXカッパを着込みシューズカバーを装着しヘルメットカバー(シャワーキャップ)を被り完全ウエットモードにチェンジ。(9:07-20)

走り出すとすぐに雨足は弱くなりますが気にしない。

そして去年寄って好印象だったよもぎ饅頭のみやまには寄ります!この先補給ポイントは峠の向こうしかないし。

120930pc5miyama

今日は栗あんを。味的には普通につぶあんが一番相性良さそうという結論ですけどね。

120930pc5miyama2

カッパ脱ぐのが面倒だったので失礼ですが立ったままいただきました。熱いお茶がありがたいです。
さあこれで体と心の補給も出来たので高見峠をやっつけに行くか!また強くなった大雨の中に飛び出して行きます。(9:32-42)

勾配が峠道らしくなってきましてGPSに表示される標高値の上がり方が増してきます。だんだん風も出てきて本格的に荒れそう。すれ違うクルマの窓からこちらを見る視線がチラッではなくジッと見ている感じ、そりゃ普通じゃにわな。

やがて正面にループ橋が見えてきました。登りの程度自体は去年通っているのでわかっているけどさて、雨風がどんなもんかな。

ループ橋の道はくるっと円を描いているのではなく複雑なひょうたんみたいな形にカーブしていきます。雨はいよいよひどく叩きつけ、風も強く向い風には下ハン持ってできるだけ体を小さくして行かねばなりません。
橋にさしかかると風で飛ばされそうな勢いなので道路の真ん中近くを通らざるを得ません。前から横から、そしてカーブを曲がると今度は後ろから強烈な風に吹き回されます。
路面は雨水が風で吹き流されている。

やっと頂上に到着し、長い高見トンネルに入るとホッとします。

120930takatori(スタッフ撮影)

しばらくは登り勾配なのでゆっくりと走行。トンネル内県境を越えたら下りにかかりますが出口が見えたら減速して再びの土砂降りワールドに突入!(10:59)
減速舗装のダンダン凸凹で滑らない様注意しつつ減速し下りカーブを慎重にクリア。ブレーキがすぐには効かないので断続的にリムにタッチさせる様にブレーキレバーを始終タップする様に操作しつつ。タイヤのGP4seasonはこういう悪条件でよく踏ん張ってくれるのがありがたい(もちろん無理は禁物)。

120930takami2

ワインディングの下りを終えると左手に吉野川、ゴウゴウと音を立てて流れていく横をこちらも豪雨を突っ切って走っていきます。

120930yoshino

作り立てもなかの西善、柿の葉寿司の山中とグルメポイントはあるもののこの状況下では早くゴールへ向かうのが優先とばかりにそれらはパスしてひたすら川沿いを下っていきます。もう雨には馴れてきて眠気もないので先へ先へ。

工事中停止信号で止まっているブルベさんに追いついた、と思ったら腹ポ&べりさんでした。えーー?遅刻してしかも仮眠宿で寝ていた二人に既に追い越されていたと軽くショックを受けつつも、ここから先は同行することにしましょう。

120930gojo

吉野川沿いからオダックス近畿お馴染みのコース、オダ近銀座ともあだ名されるいつもの五條市街地へ入ってきてそろそろお昼にしたいな、と相談。手軽にすき家で牛丼にしますかとすき家に寄ってみるも自転車を立てかける場所を探すのにも一手間、何せ強風なのですぐに動かされてしまう。
それにカッパ脱いで着るのもなんだか面倒だということでそのままPCへ向かってそこで食べようと作戦変更、PC6サークルKに辿り着きます。

120930pc6

焼きそば&チャーハンセットを。
店の方のご好意によりサークルKの店内で食べさせていただけました。助かりまする。

120930pc6yakisoba

ここには昨日串本のPC2にいたO川夫妻がスタッフとして待機されてました。既に救済措置は発令されているので時間は気にしなくても辿り着けば完走扱いになるし夕方には台風のピークも過ぎるから、とアドバイスをいただきます。

さてここからどう走りますか。
もちろんここでDNFして輪行で戻るという賢明な案もあるよと腹ポさんはもっともなご意見。べりさんは行けるんちゃうのんというイケイケご意見。
早く戻りたい、という思惑は共通しているので

「行けるとこまで進んでみてやばそうだったら避難しよう」

と再び3人で出発したのであります。懲りないねぇ。(13:21-43)

▽PC6〜ARRIVEE:嵐

台風の猛威はいよいよ激しくなってきていますが風向きは基本追い風。雨も激しいけど走行そのものはここに来て意外に楽、小さい脚力で進めます。
途中から先頭を代わってみまして、もっともペースは敢えて抑えめに27km/h巡航で行けばときどきペダル止めてるくらい。

120930hashimoto

こりゃ案外早く次の通過チェックまで辿り着けるなと安心していたら、交差点を曲がったところでシフトがなんかおかしい、ん?動かないな?

止まってみたらリアシフトワイヤーが切れてます!げげっ!!

ワイヤーが切れると後輪のギアはトップに固定されるわけで当然無駄に重たくなって踏めない、のですがそこはフロントトリプルギアの利点、フロントをインナーに落とせば30Tx13Tというギア比になるので緩い上りならば十分走れます。次の通過チェックまではこれで行けそうだから特にここでは処置をせず、切れたワイヤーが他に絡まない様にフロントバッグに突っ込んでそのまま走り始めることに。

紀ノ川沿い丘越え新道は風除けのため旧道を選んで通っていきます。上りがないのでそっちがありがたい。

平地はフロントはセンター39Tで進めてますが、土手沿いに来たところで風向きが変わり正面からの向い風になり30Tにして下ハン持って腰を上げて12km/hでぐぬぬぬ、、、す、進まん。

120930marusu

丸栖の交差点に出ると更に風は吹きすさび、これは危険と判断してしばし押して行く事にします。
竹林が暴風で揺れまくり葉っぱが飛び散り道路は濡れた緑の絨毯状態!

100mほど歩いて移動して風向きが変わったのでようやく乗車して先へ進みます。
緩い丘越えをなんとかこなしてようやく通過チェックのローソンへ。

120930checklws

駐車場には雨が叩きつけられ風はうなりを上げて吹き荒れています。前の道路を走るクルマもまばら。

さてさっきの切れたケーブル、アウターをフロントバッグに突っ込んでホイールに絡まない様にしてここまで来ました。

120930pcckcable

切れてしまったケーブルを取り除いて新しいケーブルを張ろうと思うものの、レバーをくりくり動かしても切れた端が見えて来ないのでSTIの中から取り出せない。
せっかく予備ケーブル持っててもこれでは交換できません、役に立たんなぁもう。

しかたなく固定ギア化することにします。

120930pccktiewrap

ツール缶からタイラップを出してきて、ディレイラーのワイヤーで引っ張る部分をチェーンが17Tに嵌るポジションで固定してしまいます。一つだと緩んでしまうこともあるというアドバイスを受けて二重にしておきました。さあこれで3速は使える様になったしなんとか雄ノ山も越えられるだろう。

それよりも問題は暴風雨の方。しばらくは路地裏を行くから風は避けられるだろうから紀ノ川へ出て様子見てそれからどうするか考えよう、ということで出発。(15:56-16:28)

細い道で家影にはなるものの、少し開けたところではやっぱり風、この時は横風を強力に受けてしまいます。体を斜めにする感覚でハンドルしっかり持って。

布施屋駅の踏切前で電車通過待ち、この立ち止まっている時にも突風が来てよろけるほど。

120930hoshiya

紀ノ川沿いに出てさあここから吹きっ晒しの川の上、橋を渡れるかが大問題でした。
東側歩道を行くと思った程風がきつくなく無事走って通過、これはラッキー。一番の懸念箇所を抜けたので後はなんとかなるかも。

避難ポイントとして想定していたマクドナルドも寄らずにそのまま通過して雄ノ山峠へ。
(ここでずっと避難していた人もいたらしい)

雄ノ山峠へのアプローチは問題なくクリア、最大勾配のあるヘアピンターンからはその勾配より風向きの変化に気をつけなければなりません。それにしても17Tにしたのは失敗、30Tx17Tで12%を登り続けるのはかなり堪える。ギアは21Tにはしておくべきだったと後悔。
もう少しで登り切るという辺りで風が思いっきり前方からに変わってしまい、たまにクルマも通るのでここも危険と3人共降車して押し。

120930onoyamart

ピークを越えるまで歩いたら風も少し弱まったので走って下ります。
ふぅ〜、これでやっと辿り着けるという安堵の気持ち。久々にきっつい雄ノ山峠を味わわせていただきました。

日が落ちて夕闇迫るりんくうの橋、ここも吹きっさらしだからやばいだろうと予想していたけども辿り着く頃には風はかなり弱くなり滑りやすい歩道も難なく自転車乗ったまま通過。

120930rinku

すっかり暗くなった温室に無事到着。(18:08)
ブルベカードを提出していつものようにメダルを申請します。

120930arvonshitsu

いつものカップ麺もいただきます。

120930arvcup

しばらく休んでクルマに自転車を積み、りんくうの湯へ。
さっぱりして仮眠を取ったのち、SA/PAでも時折仮眠を交えつつ帰宅しました。

【今回の走行:Rapid-R】
平均:22.3km/h,最高:61.9km/h,距離:612.23km,累積標高:4640m
認定タイム:35h08m

DNS:39名,DNF:20名,完走:40名

▽台風の進路

120930weathernews

午後3時に潮岬・串本に上陸、午後6時に鳥羽に接近という進路でした。その間がもっとも風雨の厳しかった時間帯を走りきった我々よりも、6時以降は風雨は収まったのでそれまで待機していた人達が正解でしたでしょう。

▼GPS分析編

予めシミュレーションしてGPSにルート登録してあった走行プランと実走の時間差をグラフ化してみますと...

120930brmgps

前半は快調にペースを刻み、昼食で余分に時間をかけてもまた取り戻すだけの余裕を持っています。
中盤以降は大筋でシミュレーション通り、これは元々ペースは落ちるだろうという予測を含めてのシミュレーションにしていたので読み通りです。最後の通過チェックから後は暴風雨とワイヤー切れトラブルで貯金を使うことになりました。

▽ルートマップ

120929brmkinkimap