【本日のコース:別府〜指宿:600km】
Heaven Week二日目は最長距離600キロのスタート。通常のブルベ600キロなら難なく走り切ってしまう皆さんが集まってますけども前日に200キロ走ってからの600キロを走れるのか否か、その答えを求めていざ九州の南端へ。
ルートは大分から宮崎を通過して鹿児島、桜島を一周して指宿へ向かいます。標高差は僅か250m、累積標高は4500m程度とその数字だけみればイージーコースでありますが果たして...
サドルバッグに着替えとしてCRAFT長袖WSとノースリーブの2枚のインナー、それと靴下、タオルを入れてと。
雨は降りそうだけど時間は半日くらいと見て百均カッパをチョイス、フロントバッグに収納しておきます。これが吉と出るか凶と出るか...
部屋から階下を見下ろすと受付の準備が整っています。
さあでは荷物を持って降りましょう。荷物は昨日同様ドロップバッグとしてゴール地点まで有料でスタッフに運んで貰えます。
ブリーフィングの途中ですが軽量化のため一旦抜け。
すっきりしたものの、またPBPのジ病が再発、ぐぬぬ...
そんな事は何喰わぬ顔をして受付を済ませて出走。
しばらくは市街地なので信号ストップが続いてしまいます。人数はそれほど多くないので動き辛いほどではありません。
6:25
それでも海岸の景色に心は明るく。
いい感じのトレインに牽いてもらってペースは上がっていきます。
海沿い、7:48
左手に朝日、輝く海。今日はこの九州の海岸線をずーっと辿っていく、そんな期待感にあふれる快適な海の道。
9:05
順調にPC1に到着。
PC1、9:41
PC1
ボトルに氷といろはすみかん、ポテトサラダロールとヨーグルト飲料を補給しておきます。
峠を越えて展望の開けたところ、ちょうどいい休憩ポイントが豊後くろしおライン空の公園です。
空の公園、11:08
青い海と青い空。絶景なり。
道はもう少し登りがあり、それを越えたら青い海を見下ろしながら爽快ダウンヒル。
下り、11:20
下って行くと蒲江の町に入ってきます。ここで昼食の予定、海鮮丼がお得な「ますの寿司」を無事発見。
中に入って聞いてみたら今日は予約でもう一杯でダメと丁重に断られてしまいました。やはり人気店でしかも連休となればしかたないか、”また来ます”と店を後にしますが再来はできそうにありません。
しかたない、お昼はすぐ近くにある道の駅かまえに寄る事にします。
何名か来ているみたい。
賑わう道の駅
海鮮丼の幟があるのでそれにしましょう。注文してしばらく待ってと。
海鮮丼
いちおう名物のカンパチも入っているみたい、これで1000円ならまずまずです。ごちそうさま。
ここからはしばらく平和なルート。
道の駅北浦に寄ってちょいと景色を。
北浦、14:11
ここにも鯉のぼりが。水辺で子供が遊んでいました。
北浦、14:12
そしてPC2に到着。
PC2、15:24
クリームパンとピルクルを補給。
PC2を出たらミッションを一つこなします。
ルートと平行しているJRの駅に寄りますよ。
JR土々呂駅にやってきたブルベととろ。しかしここにはジブリっぽいものは何も見当たりませんでちょっと拍子抜けかな。
だんだんと雲が厚くなってきていよいよ雨が降り出しそうな中、幹線道路を走り続けます。
ん?なんだこの看板は。遠見半島ではヒラメが名物らしい。
ヒラメ、16:09
隣を通り過ぎたロードスター、荷台に子供用自転車を積んでますがそりゃ無理なんじゃないか!いちおうくくりつけてはある様ですが... 積み過ぎ
日暮れのPC3に到着。そろそろ雨が落ちてきました。
PC3
百均のカッパでは心許なさそうなのでここでセブンイレブン印のナイロンカッパを上下購入。
百均のものより厚みがありしっかりしています。
ここでは生どら焼きとヨーグルト飲料、ボトルにはビダミンガードを補充。ここでは夕食にはしませんで先へ。
20:35、グランディア青島に到着。先に何か食べるかなと思ったらレストランは8時半までと惜しくもアウト、しまった。。。それはチェックしなかった。
まあいいか、冷えたカラダを温めますか。
おっと脱衣所にいいものを発見、コインランドリーがあるではないですか。しめしめ、これでウエアを乾かせば快適度復活、入浴している間に乾燥機に放り込んでおきました。
ここでは休憩室で休む事もできます。が、今は眠くないし別料金の館内着が必要だしまあいいかと今回はパス。
ほんわかと温かくなったウエアを着て、アンダーウエアにCRAFTの長袖WSを重ね着して防寒しておきます。
小一時間休んだから気分入れ替えて雨の夜道に戻りましょう。
小さなアップダウンを幾つも越えて短いトンネルに入る度に雨をしのげてホッと一息。
次の補給は23:14にやっと到着したセブンイレブン。
さっきの温泉で食べ損ねたのでここでしっかり食べて、ボトルの中身も補充しておきます。
どん兵衛特盛きつねと梅おにぎり、煮玉子おにぎりとブラックサンダーはこの後の補給食としてフロントバッグへ。
そして眠眠打破も投入しておきます。
この先はしばらく補給らしい補給ができないはず、30分ばかしゆっくりしました。仮眠をしてないので時間はたっぷりあります。
BRM429指宿600kmの半分を過ぎました。あと半分ながらここから今回のブルベが始まるといっても過言ではありません。
日付が変わる頃には疲労もあって眠気がやってきました。まだまぶたが閉じたり意識が薄れたりという程ではありませんで、あくびが出る程度の弱い眠気。
雨は相変わらずしとしと降り続けています。
日南市の南郷町に入ってまもなく。
やや下りでいい感じのスピードで橋を渡りその進む先には左カーブ、ガードレールが左に見えています。道幅は広い。
スーッと何の気無しにカーブに進入すると路面に溝が見えます。それが進路と直交しているものではなくて少し斜めに切ってある橋と道路の継ぎ目で進行方向と微妙にシンクロ、あっ!これにハマるとやばそう!...
そう思った瞬間その継ぎ目の溝に前後輪共見事に嵌りコントロールを失ってガッシャーン!
落 車 !
落車直後、00:28
右側から落車してしまいました。
雨なのが幸い、転んで滑っているのでダメージは少ないです。
むくっと起き上がって体の不具合がないのを確かめて、路面に転んだRapid-Rの写真を撮って↑。
落車現場
そしてこれが落車地点の路面。進行方向は画像右上から左下へ。
この斜めに走る線、これにやられました。橋と道路の継ぎ目なのですが橋が道路に対して斜めに入っているからこんな格好になっていて、その溝にまんまと嵌ってしまいました。
もっとも意識がしっかりしてれば避けるのは難しくない事です。あ〜あ。
落車後
道路脇のフェンスに自転車を立てかけて被害の点検。
カッパの脛の部分が破れた、肘も少し擦りむいたみたい。カッパの破れ目から2XUタイツに穴が開いているのを発見してへこむ。まぁしゃあないか、カッパがセブンイレブン印のだっただけマシ、GORE-TEXだったらもっとへこむわ。GORE-TEXを持って来なかったのが正解という解答をここで決定することに。
メットは大丈夫。自転車はハンドル右側バーテープが破れてSTIレバーが少し内側に曲がった程度。
そのSTIレバーをよっこらしょと曲げ直して気を取り直して出発。
(後で聞いたところによると、数名ここで同じ様に喰われたらしい)
凹んだ気分のままペースを落としてのろのろ走ります。ここから更に海岸線の小規模なアップダウンが連続していきます。途中短いトンネルを越えて下って漁港。
自販機休憩(1:33〜1:39)
また登り返してまたトンネルくぐって下ってまた漁港。
登ったと思ったら下って左手に海面が見えて”また登り直しか”とがっくりのリピート。
都井岬へ左折して今度は登りが少し長く続いてヒルクライムに。勾配もついてきていてスピードは6〜8km/hになるところも登場します。
目の前に何やら柵が見えてきました、通せんぼ?
野生馬が外に出ない様にしてある”駒止の門”に到達しました。ここを押して開けて通り、また閉めておくのです。
駒止の門、2:05
しかし残念ながら時間が時間だけに馬には会えず。明るくなってきた時間に通った人は馬に出会ったらしい。
道路には馬糞がいっぱい落ちてましたが。。。
岬へのきつい登り、実際の勾配に加え雨の負荷も加わるのでよけい厳しい。霧で視界も遮られるのでGPSのルートを睨みつつじっくり登って行くと、折返しのブルベさんが霧の中から降りてきてすれ違い様に手を挙げてくれます。道が間違ってないことだけは確か。
やっとPC4設営地に到着。都井岬のトイレを拝借していました。
中にベンチがあって広くて便利。
PC4
少しばかりのおやつ補給食もいただけました。
実際のところ走ってくる我々よりも寒くて寂しいここで何時間もというか徹夜で待ち続けるスタッフの方が大変なのであります。
「途中で落車してねぇ、この有様」
2:27(スタッフ撮影)
ととろ、今回は防水スプレー処理が効いていましてわりと元気(笑)。
元気がなかったのが買ったばかりのデジカメ。雨でやられたか単にバッテリ切れか、起動しなくなりました。以降はケータイカメラで撮ってます。やれやれ、やっぱり安物は使えませんわ。
(スタッフ撮影)
さあて、少し元気を分けて貰ってでは下りますか。(2:32〜3:10)
視界は相変わらずよくないのでゆっくりと。
道路沿いにコインランドリーを発見、外に2台のロードが止まっています。
どうやら先客がいる様で入ってみたらウエアを乾かしがてら仮眠中。
こちらも着ているものを脱いで乾燥機へ。その間カッパを着て寝転んで休憩。(5:15〜5:49)
鹿屋市に入り朝食はすき家で牛丼。(7:07〜7:22)
雨は上がりましたが雲はまだ厚く、朝日は出てきません。
8:54
あれが桜島か。上の方に雲がかかっています。いや雲じゃなくて噴煙か。
9:15
左折して桜島周回ルートに入りますと埃っぽさを感じてきます。目もショボショボしてきました。いや〜これが火山灰か。持ってきたマスクをかけて走り出しました。
右手を見るとさっきより噴煙が広がっているし...
9:56
マスクしていても利いてるんだかどうだか(ないよりはいいに決まっている)、この環境下では自転車走ってないはずです。あんまり心拍・呼吸を上げられないから四国の佐田岬を思い起こさせるアップダウンはかなり強敵でなかなか進みません。
やっとこ島の反対側にあるファミリーマートに到着、PC5です。緑じゃなくてこげ茶のペイントのファミマ。入口も二重になってました。
PCですがここで会ったのは一人だけ。誰も長居はしたくないらしい、そりゃそうだ。
交差点ではクルマが通るたびに火山灰がもうもうと巻き上がっているのが見えます。
12:07
オランジーナ一本飲むだけにしてとっとと退散、北側の周回道路に向かいます。
こちらの後半がまた短くてきついアップダウンの繰り返しでしびれました。溶岩の奇異な風景を目にしつつも写真に撮る余裕なし。
ようやく元の道に戻ってさあ、先へ向かいましょう。
道の駅たるみずで昼食を。レストランは混んでいたのでパスして売店で購入。普通の弁当もいろいろありましたが惣菜が豊富なのできびなご寿司中心に選んでみました。
昼食
なに、これをちゃんとしたお皿に盛りつけたらイッパシの定食になるって。
外のベンチで風に飛ばされない様に注意しつつお昼をいただきます。見た目はショボいけどどれもおいしかったですよ。
(11:49〜12:18)
13:51
ここから鹿児島市へ向かう途中が一番風がきつかった。
ちょっと坂を越えて標識に下り5%の勾配、普通ならペダル止めて40km/hを楽に越えるところです。下りかけて猛烈な風が正面から吹いてきて見る見る減速し10km/hまで落ちたのであわてて漕ぎ直し、下ハン持って漕いでる5%下り坂でそれでスピードが17km/h!うっそー!
これまで強風は一番最初の400kmブルベ、近畿400の串本周辺だったけどそれを越えてしまった様です。
ずっと下ハン握って目を三角にして歯を食いしばってノロノロと進んで行きました。
やがて方角が西向きに変わると・・・
一気に追い風に変更。PC6にあっさり到着です。
ここではエクレア、コーヒー牛乳500ml、水を補給しました。(15:02〜15:20)
バイクは火山灰でコテコテになってます。主成分はガラス質なので金属からしてみればみがき粉みたいなもの、放っておくと摩耗が進んでしまうので早く落とさねば。
というか風向きにより火山灰が鹿児島市内へ流れていて再びマスクを取り出してかけます。
さて、鹿児島市まで来てそのまま先へ進むのも何でありますからちょっと市街地へ向かって観光モードに。
フランシスコ=ザビエル、といえば長崎は出島というイメージがあったのですが、こちら鹿児島に上陸されてたんですね。
フランシスコ・ザビエル像
そして鹿児島といえばこの人、西郷どん。上野じゃないよ。
西郷隆盛像
よし、これで鹿児島は制覇した。ルートに復帰します。
市街地を通っているうちにドラッグストアに寄っておこう、とちょうど良さげな量販店があったので一つ買っておきました。「ザ・ジーH」という軟膏...。(16:09〜16:20)
市街地を抜けると追い風に乗ってスイスイスイと走ります。宿の食堂の時間(夜9時まで)にも十分間に合うし、道の駅喜入にでも寄って行こう。
と、売店をのぞいてみましたがここではピンと来るものなくてすぐに出発。(17:14〜17:19)
次の道の駅いぶすきも寄ってみます。おや誰か来てますね。一人はA楽くんだ。
土産に芋ようかんを買ってソフトクリームも食べます。
道の駅いぶすき
(17:45〜18:00)
んじゃ最後は一緒に行きますか。
と3人でゴールを目指します。と、ほどなく風向きが変わってやや向い風になったので後ろについて牽いてもらいます。一人の方はほぼ地元は人らしい。タイヤレバーを持ってなくてパンクした時に困るからと途中にあるサイクルショップに寄ってみますが...
R226、18:18〜18:22
品揃えはバッチリだったけど店員さんいなくて買えず。高級パーツが並んでいるのに大丈夫かいな?と心配しつつ先へ。
最後は回復走のつもりが逆に売り切りモードのハイペースだったんで牽いてもらってたにも関わらず消耗してゴール。あ、ありがとうございま、した。ふぅ〜
到着、18:37
本日の宿泊は「旅館くりや」。
まずは風呂に入って着替えてウエアの洗濯。
そして無事戻ってきた同室の近畿面子と一緒に食堂で名物のかつおのたたき定食に舌鼓を打ちつつ、指宿の夜は更けていたのであります。
明日の出発は遅いからゆっくり寝られるぞ。
(つづく)