PC5のローソンでは菓子パンとサンドイッチを買って明日の朝食用にとフロントバッグへ入れておきます。
そしてここでの補給はローソンのすぐ横にあるすき家で牛丼と塩分補給に味噌汁。
すぐ隣りにすき家があるコンビニをPCにするというのはナイスなアイディアです。しかも往復で2回寄るので都合良く利用することが可能。
腹を満たしたら仮眠ポイントまで40キロの行程に漕ぎだします。
四万十川へは過去2回家族旅行でクルマで行ったことがあり、2回目は一昨年のことですから記憶もそれなりにあります。ほぼ平坦基調で上流に向かってじんわり上ることなく上っている道なので、問題なく辿り着けるでしょう。
しかしなんだか見慣れぬ道に入ってきました。
生活道路の様に細くて小さなカーブの連続、さっきの足摺岬の後の道に似ています。幸いハブダイナモでとても明るいライトを装備した人と一緒だったのでなんとかついて行けてますが...。
たださっきより疲労と眠気で集中力は低下の一途、道端に誰かいると思ったらただの反射ポールだったり、この辺の標高はどれくらいかなと思ったらいつのまにかGPSに標高が表示されてる、というのが夢だったり。
そして周囲はガチャガチャガチャガチャとやかましい虫の声。鈴虫のリーンリーン、松虫のチンチロリン、こおろぎのピロピロピロ、といった優しい音ではなく硬質な金属的ともいえるガチャガチャという音。ジブリアニメの「もののけ姫」に登場するシシ神の森の木霊がカタカタと音を響かせる場面がありますが正にあれだなと妙に納得しつつ、見えないけれど数万あるいは数百万かの命が全周囲から見つめられている空間は既に人間の世界から遠ざかってしまった様な。
狭い視界と鈍った意識でただただ前の自転車についてペダルを漕ぐだけです。「キェーーン、キェーン」という鋭い鳴き声も聞こえましたがあれは鹿の声だったのでしょうか、それとも...。
少し道幅が広くなってしばらくすると「かわらっこ」の看板が見えました。「カヌーとキャンプの里かわらっこ」に出てきたのです。やっと知った場所に出て来て一安心、ここからは道に憶えがあります。
前に泊まった民宿せんばや小学校を利用した四万十学舎を通り過ぎて江川崎で左折、しばらく進むと道に赤いLEDが数個点滅しているのが見えます。そこが折返し&チェックポイント&仮眠場所の郷の家でした。
オダックス近畿サイトより
スタッフにここまでのレシートチェックと合わせてブルベカードにサインを貰ったら、ドロップバッグで預けている荷物から着替えを出してシャワーを浴び、さっぱりとしてやっと人心地。二部屋あるうちの布団を敷いてある方はジャージでなくてちゃんと着替えした人用、着替えていないジャージの人はブルーシートを敷いた部屋で仮眠するということでした。布団部屋で寝られる格好にはなったのですがスペースがなく断念、ブルーシート部屋でドロップバッグに入れて持ってきてあった寝袋のインナーに潜って、隙間をこじあけて横になりました。ここでしっかり寝ておかないと。
それでもあんまり眠れなかったみたいで3時間もしないうちに起き出してしまいました。
サンドイッチを食べて、それからオダ近名物のカップ麺を一ついただきます。普段カップ麺は食べないけど、こういう時だけはおいしく食べられるし元気にもなります。なにより温かい。
そして歯を磨いて着替え。今度はオダ近ジャージに着替えてこれでゴールを目指します。洗ってカーテンレールにぶら下げていたタイツは乾いてなくて履いたらヒヤーッとしてしまいますがしかたない。
外へ出てタイヤの空気入れ直したりしながら出発準備。表で福岡代表のダンゴ虫さんにご挨拶、フロントバッグにイタリア1001マイルのゼッケンをつけていましたね。今度10月のブルベでまたお世話になります。
電池を交換する為に一旦ガムテープを取ったDOSUN、再びガムテープでぐるぐるぐるぐる巻きにしてしまいます。
バッグはクロネコの徳島の配送センター留めで送る段取りにしてまた預けて、さあまたブルベを再開しましょう。ここからは水色KLEINさん、タケさんと一緒に行きます。写真も幾つか提供していただきました。(4:22-7:49)
外は霧雨。
メガネがすぐ曇ってくるので拭き拭き進みます。
前に走っているリカンベントの方、8月のさんいん1300に参加されてて、さっきの郷の家であの三船さんを追い越したって話してました。そういえばブログに書かれていたな〜、凄い人です。
霧の中ですが気持ちのいい朝の四万十路。湿っていたタイツはある程度乾いたみたいで気になりません。
下って来るに従って霧が晴れて陽が射してきました。ここ岩間の沈下橋では朝から大勢の人で賑わっていました。少し離れたところから狙っているカメラおぢさんもいましたね。
しばらくして追いついたのはランドヌールではなくサイクルお遍路さん。走る距離は僕らよりももっと長いんだろうなぁ。
さてお目当ての沈下橋は民宿せんば下のこちら口屋内の橋なのですが...壊れているようで通行止めになっています。残念!そしてやはり残念そうに写真撮っているランドヌール二人が下に。
ならばと下流の勝間の沈下橋へ下りてみました。せっかく四万十川に来たのだから渡らないとネ、と二人を連れてきます。
川の水はきれいでたくさんの魚が見えます。鮎? たぶんカワムツかウグイでしょう。(8:52-8:59)
昨夜見た「かわらっこ」を過ぎて細い道へ右折。昨夜必死で走った道を再び通ってみたら、確かにカーブが多くてスピード出して走れるわけではありませんけど、木陰を走るとても気持ちのいい道でした。
なんとも拍子抜けみたいな気分も。
ここまで来る間にすれ違ったブルベライダーは数名いました。このルートの上手な攻略は彼らの様にPC5の後でしっかり仮眠(おそらく中村市内でホテル泊)し、午前中のうちにここを往復することでしょう。
ともあれ再びローソンに到着、今度はPC6ということになります。
コーヒー牛乳は地元のひまわり乳業のものを飲みます。
マルナカブランドの牛乳で岡山でもお馴染みのひまわり乳業のコーヒー牛乳は牛乳が多く(生乳50%未満の表示、もっと生乳が多いのが大山乳業の白バラコーヒーで70%)甘ったるくなくておいしいのです。(9:47-10:17)
さあこれから高知へ向かって走ります。四万十川に別れを告げて再び太平洋を拝んだらまずは一山、300mほどの山を越さねばなりません。
今日も暑くなってきました。自販機で休憩(11:39-11:46)
お昼は鰹、カツオだ!
ペースは早いので鰹ポイントとして目をつけていた黒潮工房へも間に合う時間ですがお手軽にコース上の道の駅あぐり窪川で休憩。
結構賑わっているレストランで尋ねると今日は鰹の入荷があるのでタタキがあると。
では鰹タタキ丼(1200円)を。
脂がのってて非常においしいタタキでした。でもタタキ定食の方が厚みのある切り身で更に良いと云ってたのは九州のMさんだったかな。
タタキが来るのを待っている間に売店で高知名物の「のむらのミレービスケット」を買い、水色KLEINさんとタケさんに無理矢理持たせます。「のむら」って云ってもあの人はもうとっくに・・・。
食後はアイス、今日はかぼちゃにしてみました。
大勢のランドヌールが休憩していましたし、後から次々とやってきてもいました。位置的にも時間的にもちょうどいいとこでした。(12:27-13:22)
お腹を満たして再出発。
ゆるい上りをじわじわと上がっていきます。
七子峠、といっても300mくらいの標高、眺めはなかなかよろしいですな。
そしてしばらくお待ちかねのダウンヒル、土佐久礼まで下りたらあとはしばらく平坦路が続きます。
次は須崎のYショップで休憩。アイスとコーラで涼みながら休んでいると、目の前の交差点を何台も自転車が走って行きます。その角のところに誘導員もいますね、何やらサイクリング大会が行われている様です。最初の頃に通過していったのはロードバイクでしたが、だんだんクロスバイクやマウンテンバイク、ママチャリもやってきました。見ただけでも100名ほど来たかもしれません。さぁ、ではこっちも負けずに出発しましょう。(14:47-15:13)
丘を越えると小さく入りくんだ湾にやってきました。海岸線をくねくねと辿っていくと宇佐の町、何かとUSAというローマ字表記が目につきましたね、う〜ん。
クジラのモニュメントを眺めて...
部活帰りの中学生を追い越してその先の岬を過ぎれば...
右手がどーんと開けてこれぞ太平洋。
ほどなく仁淀川の河口に到着しました。長い河口大橋を渡ります。
橋の途中で止まって景色を堪能。波間にはサーファーがたくさん。
今回いろんな見所がありましたけど雄大という言葉が似あうのがここ。水平線が弧を描いて曲がっています。ロードブックにはアメリカが見えると書いてあったけど、目がよくないせいか見えませんでした。
空にはパラグライダーが飛んでいます、パラパラと音が聞こえると思ったら動力付きですね。(16:11-16:15)
波の音を聴きながら海岸沿いをスイスイ走っていけばPC7のサークルK高知長浜店に到着。
晩ご飯にはちょいと早いし鰹はさっき食べたしで隣接のレストランはスルー、ここではまたまたひまわりコーヒーにプリンで軽めの補給。
それとドロップバッグから予備電池を出し忘れていたらしいので電池も補充、これは失敗。(16:34-17:05)
中にははりまや橋を見て来ると駅前の方へ向かう人もいました。片道8キロ強あります。ひろめ市場にも行くのじゃぞ〜。
時間は十分あるのでロードブックに推奨されている通り桂浜へ寄って行きましょう、とPCを出てすぐに道は大渋滞。時に歩道に逃げながらクルマをかわして進んで行きます。
もう5時になろうかというのにこの人出はすごい。大河ドラマ「龍馬伝」の影響力や凄まじい。
桂浜に下りる石段の前に自転車を停めていきます。既に2台の先客がいるみたい。
桂浜が見えてきました。やってきましたよ桂浜。
そして龍馬像。逆光なので背景をトバして写してみました。
龍馬さんの向いている方角は次の通過チェックポイントの室戸岬だそうです、うむ。
浜に下りて少し歩いて桂浜を満喫、というにはあまりに人だらけでした。まぁ自分達もそれに加わっているわけですが。
再び上に上がっていくとそろそろ夕焼け。
ジェットコースターの登りの様な浦戸大橋を越えて(標高60m!)、反対側の海岸線に下ります。
少し走ったらまだ日が暮れないうちにもう一つ寄り道。
龍馬伝の前半で活躍していた武市半平太の旧宅とお墓に寄ってみます。ここは人はまばらでした。旧宅はなんでも人がお住まいだそうで外からそっと見るだけ。
お墓は奥様と並んで建てられてました。合掌。
(NHK龍馬伝紀行の武市半平太ゆかりの地もご参照どうぞ。)
さあ、そろそろライトを灯けてブルベへ復帰しましょう。
とはいうものの、室戸岬へ行く前に休憩タイム、温泉に入りに行きます。
高知空港の真ん前を横切り物部川を渡って交差点を左折、そこのガソリンスタンドで見つけたのはbossさん、どうやらそのお風呂を目指しているらしいのでちょうど良かった一緒に行きましょう。
2キロ北上してR55に合流し更に800mほど東へ、高知黒潮ホテル隣接の「龍馬の湯」です。
壁に龍馬の生涯年表の書かれた湯船でさっぱりと汗と疲れを流してひといき。
この先は確実な食事ポイントをチェックしてないのでここの軽食コーナーで炭水化物を摂ることにして、少ないメニューからうどんとライスをチョイス。とりあえずお腹は膨らみます。
仮眠も予定のうちでしたがさほど眠くないのでそのまま先へ進むことにしました。bossさんは少し仮眠して行くとのことでここでお別れ。(19:07-20:36)
室戸岬までも起伏は少ない平坦路なので問題なく進めるはず、ではありますが、サドルに跨がるとやってくる眠気。ちょいと油断するとセンターラインが右手の向こうに見えています<蛇行中。
一時間経たないうちに安芸のローソンで補給。携行用に炭酸PETボトル、それから無糖コーヒーと眠眠打破を補給。涼しくなってきたので水の減り方は少なくまだまだ持ちます。(21:24-21:43)
走行イメージ(笑)
月明かりで夜景のきれいな海岸線、快適な道のはずですが眠気が消えず前を追うのがやっと。
ドラフティングが有効な速度では既にないので、車間は一車体分開けて安全重視で。
そして次のPCに着くまでの間の最後のコンビニ、室戸のスリーエフに到着しました。
ここは昔オダックス岡山の600ブルベの折返し地点だったそうですが、その時は電気ポットが置いてなくてカップ麺が食べられず不評だった、という話を行きがけにレイさんから聞いていました。
店内は綺麗で広く、ポットも二つ置いてあります。
ひまわりコーヒー(今度は200ml)と菓子パンを補給。そしてちょっとコンビニの壁にもたれて仮眠を取ります。
コースから100mほど外れているのでブルベライダーはあまりやってきませんが、地元の人がポツポツとクルマでやってきています。
眠れてはいないけど休めたので落ち着けました。(23:25-0:41)
室戸岬までは20分少々で到着、ここには多くの人がいました。仮眠している人も多い。
暗闇の中岡慎太郎像。
通過チェックのクイズはこの近くにある風見鯨の竣工年月日、プレートに書いてあります。
これで通過チェックは済んだ、さあ後は最後のPC8をクリアすればゴールだ。再び徳島県を目指して走り出しましたが...。
PC5四万十〜通過チェック室戸岬、285キロ。寄り道分は除く