初めて参加するAJ福岡のブルベ、BRM背振300kmは1月の”なまずブルベ”に続いてのお魚系「いかブルベ」。
前半の海岸線を楽しんだあと、後半の夜間走行は峠越え。
エントリーは86名。見知らぬ土地、見知らぬ人とのどんなドラマが待っているのやら。
嫁さんにいつもよりちょっと早めに帰宅してもらってからクルマに荷物を積み込み、18:30自宅出発。途中時間調整のためSA/PAに寄りながら若宮ICを0時2分に出てチサンホテル宗像(むねかた)へ。
このホテル、(2004年版地図のNAVIには出てないくらい)新しいだけに設備はキレイで部屋も広い!ユニットバスながら大きなバスタブで足も伸ばせる。今までブルベで利用した宿泊施設の中でも最上級と云えましょう。おかげで短いながら十分休めました。
目覚まし時計が鳴る前に6:25に目が覚めてさて朝食を食べるかとテレビをつけると画面の時計は6:42?
げげ、時計が遅れてる!寝る前にアラーム時間を決めた時に誤って長針も動かしてしまっていたか。
あわててサンドイッチをパクつき歯磨きして着替え。朝シャワーはなし。
7時を回ってホテルを出発します。
集合場所までは10キロもありませんで道も空いてて15分あまりで到着、ブリーフィングに間に合いました。
ブルベカードと参加誓約書(裏面にブルベカードの書き方説明が印刷されてる)は事前に郵送されてますので当日受付は簡単に済みます。それでも受付係に3名ほど待機されてます。参加は81名となかなか多いです。
そして受付の横ではタイヤも販売。ミシュランPRO3RACE(グレー)2本で7000円と魅力的な物件。
AJ福岡は独自システムを使ってまして、スタート直後市街地での集団走行を避ける為にエントリー順に10〜15名ずつグループ分けして出発します。そのグループ毎に予め色違いカードを配ってあり、同じカードの色の人ごとが揃ってスタートをします。今回は滑り込みエントリーで最終組(青緑)なのでゆっくりと準備しつつ、近畿に来てらしたMさんに見つけてもらって話をしながら待ちます。
そして広い駐車場スペースには手作りのバイクスタントが15基ほども置かれてます。ホームセンターで買える様な材木で作ってあるだけなのですが、簡単にバラせて収納は場所を取らない構造です。柔らかい木だからバイクを傷つけることもありません。これいいなぁ。
こんな感じでAJ福岡の組織力は相当なものと見受けられ、参加する側にとってみればとてもありがたかったです。
前方に観覧車が見えてきました。ブルベで見る観覧車、おっとここは重連ですね! 跨線橋から二つの観覧車を眺めます。
福岡市街地に入り信号で停止する間隔が短くなって進み方が遅くなります。GPSプランからじわじわと遅れを生じてきますがまぁそれはしかたない。
今日の最大目的の「イカ」は時間を取るだろうから、そこへ遅れないようにペースを上げて辿り着くプランにしていますので、前半はハイペース設定。信号で止まることがなければそれを十分上回るペースでの走行ではありましたが、最大で5分ほど遅れる状態になりました。
やがて郊外に出ると信号ストップが減ると共に徐々に遅れを挽回します。
前を走っていたトレインが補給のため離れましてしばし単独走行、するとペースは上がらなくなります(苦笑)。しかし予定していた補給ストップはスキップしたので、その分の時間10分でそれまでの遅れをチャラにしてしまいました。
まもなく後ろから上がってきた別のグループにこれ幸いとくっつくことにします。
前を走っている人をよく見るとカレラ。カーボン&クロモリのシールドです。
カレラつながりで声をかけますとやはり珍しかったみたい(^^)。
「アルミは軽くていいですね」と云われましたが、後ろから来たお仲間の二人が一気に小集団を抜き去る時にスパッと車列を離脱してそれについて行かれたキレのある走りを見せていただきました。
虹の松原の両側からせまる松並木の中を快走。木漏れ日が気持ちいい。
そしてPC1に到着。セブンイレブンですが店の前が広くないのでバイクは道路向かいの防波堤に停める様指示があります。そこにずらっと並ぶバイクの列は壮観。
ここではさくっと買い物を済ませ、おにぎりやお弁当を食べてる皆さんを尻目にさっさと先へ進みます。(11:37-11:44)
ここからはしばらく単独走行。
PC1まではド平坦でしたがここから岬巡りらしい小さなアップダウンが連続します。右手には青い海が輝き素晴らしい景色が続きます。これを見るために来たんですよ!
そして「いか活造り」の幟や看板が目につくようになってきます。この辺りの名物がソレ、目当ての店はもう少し先です。
呼子ではもう一つ「呼子大橋」を見たかったのですがコースから少し離れているし何より「イカ」最優先の為プランからは外してありましたが...
PC1までの貯金で時間は20分弱余裕あります。目的地近くの交差点で”呼子大橋まで1.4km"の案内を見つけますと、1.4kmなら他に選択肢はありません。交差点を直進する他の参加者に手を振って別れ、寄り道して向かってみましょう。
小さい丘を少し下ると目の前に呼子大橋と向こう岸の加部島が姿を現します。橋の歩道をゆっくりと登って...
ちょっとクラシックな感じの橋脚の吊橋、海上でくの字に曲がっています。 「自転車は歩道を押して走行してください」とあったので対岸まで行っている余裕はないので途中まで進み、青空に立つ橋脚と眼下の青い海のダイナミックな景観を堪能して戻りました。橋マニア必見ですよ♪
ルートに復帰して名護屋大橋を渡ると目的地へすぐ到着。割烹大和です。ちなみにここは呼子町から鎮西町に移っています。
予約をいちおうしていましたが店内は空いていてでその必要はなかったみたい。早速「いか活造り定食」を注文します。
ほどなくやってきました活造り。この透き通った美しいイカを見よ!
動画でもどうぞ。
ご飯その他が揃った定食(2,310円)。これだけ見るとコストパフォーマンス悪いんですがイカが全てですからいいんです。
コリコリシコシコとして甘いヤリイカの身を堪能します。ワサビはつけず醤油も少しだけにしてイカそのものの味を損なわない様にいただきました。 付け合わせの海藻も少し磯臭さがあってこれもなかなか。 と、お刺身の皿からイカの胴体と足が姿を消しましたよ。
お姉さんがトングを持ってやってきて、胴体と足を持って行ってしまいました。 なぜかというと、それがこうなって帰って来るという仕組み。
天ぷらになって戻ってきます。もちろん揚げたて熱々!そして先ほどとは対照的に柔らかい。刺身と天ぷらでイカのおいしさを二重に楽しめるのが、呼子のイカの活造りなのでした。ごちそうさま。(12:29-13:03)
これで今回のブルベは完走したも同然?!まだあと200キロあり。
結局店にいたのは30分ほど、予定より1時間以上早く済んでしまいました。ということは後の予定は余裕綽々で進行できることになります。
大和のすぐ手前の名護屋大橋に戻って歩道へ渡ると先ほど見に行った呼子大橋が見えますね。
ここから数百m進んだら道の駅があります。その向かいのセブンイレブンでボトルにレモンウォーターを補給して出発、ブルベに復帰です。
▽海から里へ 先ほどと同じ様に海を渡る外津橋を渡ります。眼下に港町が見える風景に思わず立ち止まる。
この反対側には玄海原発がある。
そして丘を越えててっぺんの視界が開けたその向こうにずっと続く下り坂の先が海。海にまっすぐ飛び込んでいくような錯覚を憶える坂道の景色、ちょっとこの画像では表現できていませんので想像してください。
ここを下ってその後に小さい峠が来ます。ここは潔く?フロントインナーを使い無理せず上り、上倉ダムを過ぎてR204を離れるとお楽しみの下り、と思ったら路面荒れててガタガタガタ。先日のパリ=ルーベでのパヴェを思い浮かべながら慎重に飛ばします。
ふもとに降りてあれ?右ハン下につけているバックミラー@ZEFALがなくなっているのに気づきました。ありゃ〜さっきの下り坂で落としてしまったか。取りに戻る気は起こらずそのまま進行しますが、いつもあるものがなくなると、それが大したものではなくても不安とまではいかないけど気持ちの余裕が削られる感じです。
しばらくまた海が見えたり離れたりしながら街に入って来るとそこは焼き物の町、伊万里。佐賀銀行のからくり時計がちょうど3時を告げているところでした。
東へ向かう様になると追い風基調となり自然と速度が乗ってきます。がここは後を考えて敢えてパワーセーブ、低燃費走行で心拍も120以下に落として回復走行にしました。それでも巡航速度は30km/h近く出せていますので、GPSプランより遅れを取るところまではいきませんで余っている時間をキープする調子でどんどん楽々進んで行きます。
う!これはでかい。広角カメラでないので画面に納まりきりません。
なんでも樹齢3000年とか!根元には昔仏像が彫りつけてあったらしいのですが今は祠になってました。高さもありますが横にも大きく枝を張り出しているのが特徴です。 こちらも大きく腕を横に伸ばしてストレッチしたら、さぁまた走り出しましょう。(15:33-15:41)
AJ福岡ロゴを配した青いスタッフTシャツで揃えてます。うーむ気合い入っているぞ福岡。
ここでは空腹感もあったので飲み物の他にプリンとあんぱんを補給、次の補給は近いのであんぱんが余分だったなぁ。(16:09-16:19)
小城市内へ入ると路沿いに羊羹屋さんが数軒現れます。そう、小城羊羹ですね。これはお土産に好だけどなと考えていると二段階右折する信号交差点で停止。見ると交差点向こうに羊羹屋さんがあります。信号で一緒に止まった参加者に 「あそこで羊羹買って行きますので(横断歩道を右へ渡らずに)真っ直ぐ行きます、お先どうぞ。」というと「ハァ?」と怪訝な反応をされてしまいました。しまつた、今はブルベ中だしそもそも自転車走らせている時にお土産を買おうという発想はないかも。地元の人だったら特に。補給食に羊羹買うのはあるかもしれんが...(汗
寄ったのは「みつば屋」という小さなお店。いい感じのおばあちゃんが出てきて日持ちのいい柔らかいのを一つ買いましたが、小城羊羹といえば回りに砂糖がシャリシャリしている”固い”のが定番だったかな。
5時を回ってそろそろ夕暮れが近づいてきます。
辺りに広がっている麦畑の穂並みが西日にきらめく中を走っていきます。これが「麦秋」になったらさぞ美しい光景なんでしょうなぁ。”その者青き衣を纏いて金色の野に降り立つべし”、赤いジャージではいけません。
「吉野ヶ里」遺跡へはコースから3kmというところ、行けない距離ではありませんでしたが今回はスルーしました。ここへも以前家族旅行で来たことがある場所でしたので再訪したかったけど。やっぱり行っておけば良かったかな?と後で思います。
背振の字が見えてきますともうすぐ予定ポイント、しかもあちこちに案内看板が出ていますので迷う事はありません。背振のピークの手前の「山茶花の湯」に寄って、ここまで200キロの疲れを一旦抜いておきましょう。もっともさっきゆっくり走っていたのでヘトヘトではないけどね。
ルートの右手にその施設が見えてきましたけど、あ、なんか嫌な高さにあります。
ちょっとした丘の上に小綺麗な建物が見えているのがそうだろうなぁ。
案の定そこへ行き着く手前の道600mほどはmax15%の坂道。えっちらおっちら標高60mほど余分に上って行って疲れをちょいと追加して到着。駐輪場はなさそうなので(笑)、適当な壁際に立てかけて早速お風呂へGO!。
露天風呂から夕暮れの山を眺めつつ温まります。あ〜いい湯だ♪あの向こうで皆はがんばって走っているのだねぇ。
いつもの様にブルベ浴では温まりすぎない様に下半身中心に浸かり、上半身は5分も浸からないくらいで上がります。
さっぱりと温もったらジャージを長袖に着替えて食堂へ。さっきのあんぱんがまだ利いているのでご飯ものはちょっと多過ぎるかとざる茶そば定食を注文。立て込んでいるので時間少々かかりますということでしたが、15分も待ってなかったかな。窓から見える駐車場を見ても結構賑わっているのがわかりますね。
お蕎麦はまぁ普通かな。ボリューム的にはちょうど良かったです。ボトルにお水を貰って、では出発しますか。もう日は落ちて暗くなってきました。
前後ライトとメット尾灯を点灯させてさぁブルベに復帰。(17:46-19:04)
▽東背振トンネル&ショウケ越
まずは標高400mまで上がる東背振トンネルへ向かいます。
休んだばっかりだから楽に脚を回せます。前走者に「お先に」と声をかけ、ほのかに石けんの香りを残しつつ爽やかにパス(かなりウソ)。
ここは道路が広くクルマの通りもそれなりにある道なので、斜度はそうきつくありません。上がっていくとふもとの町の灯りがきれいに見えます。百万ドル、まではいかなくても十万ドルの夜景くらいの価値はありますよ。道の駅の辺りが一番よく見えてましたがこの画像はそれよりもう一つ下のカーブにて。
トンネルの前の料金所が近づいてきました。この東背振トンネルは有料で自転車は30円、そのレシートはブルベの通過チェック証明としても必要です。
係員に「皆タフだね〜」と励まされてトンネルの先へ。(19:34)
トンネルを出て下りになりますが寒さはまだ大丈夫だったのでそのままダウンヒルへ。減速の為のデコボコ舗装がところどころ剥がれかけたりして不安定なところもありますが、どんどん下っていきます。 途中の南畑ダムの灯りが湖面に映っているところを撮ったりしながら。
勾配が緩いところはアウタートップのままケイデンスは100を越えて漕いでいきます。上りに近いくらい心拍あげていたかも。おかげで寒さはあまり感じません。
降り切ったらスローダウン、大野城の市街地を抜けて山手の団地のアップダウンを抜けていくと本日メインの「ショウケ越」にかかります。ここは標高500m、序盤は6〜9%でそこそこの峠道。近畿でいうと黒沢峠みたいなところかなぁと思いつつ登っていきますが、「最後の4つ、5つのカーブの坂がきつくて足を着きたくなりますねぇ」と云いながら軽くパスしていった方の云う通り、標高400mを越えてから勾配が一段きつくなり、10〜15%と激坂にレベルアップします。近畿の引牛越みたいに頂上付近がきつい構図、ただ道は広いのでつづら折れのところでは若干斜度が緩くなるのが救いでした。メガネに汗をたらしながらやっとこクリア。(21:44-21:48)
頂上でウィンドブレーカを再び出してきて着込み、頭はコットンキャップを被って防寒をします。DOSUN M1+を100%に、NL-850Pもフル点灯にと下りに備えて準備を整えて一気にダウンヒル。
今度はさすがに寒くなってきた。指も冷えるし足先も寒さを感じ始めてきた。
さっき温泉で着替えた時はまだ暑過ぎるかと着なかったCRAFTのインナーを着て、追加で脱いでいた半袖ジャージも上に重ね着、シューズにはトゥーカバー装着、そしてドライブ用の白い綿手袋を買って指切りグローブの下にはめます。これで寒さは大丈夫。(22:09-22:40)
ここから先は小さい丘越えがあるくらいで平坦基調。
夜なのでスピード感覚も鈍るからせいぜい25km/hで進みつつ、ゴールまで50キロはないけど途中休むかなどうしようかなと迷っているうちに距離を重ねてそのままノンストップ。
帰りのコースは時刻が遅いこともありますがクルマの通りが少ない安全な郊外の道を選んであります。今日は遭遇しませんでしたが、せいぜい野生動物に気をつけるくらいの安心して走れる道で、主催者の良心を感じながら深夜走行を楽しめました。
最後20分くらいは20km/h前後までスピードを殺して回復走行とし、帰りのクルマの運転に体力を整えつつ予定より2時間以上早く1時前にゴール。(0:51)
いつもの様にメダルを申請し完走サインをして終了。受付では隣りでノートPCが稼働しておりリザルトがリアルタイムで更新されている!最後までAJ福岡のパワーを見せつけられました。
横のテントは休憩コーナー。コーヒーやコーラの他に温かいぜんざいがいただけます。
ん〜〜、お代わり♪
ぜんざいをいただいていると例のスタンドに立てておいたママヤマの周りに何やら集まっている様です。ライトを点灯させっぱなしにしてたのでDOSUN M1+の明るさに引かれたらしい、って虫じゃないんだから(^^;;
そのM1+の話に始まって自己紹介がてら代表さん達としばらくお話して1時半過ぎにお別れ。お世話になりました。
九州道は行きの若宮ICからではなく一つ福岡よりのICから入って古賀SAに寄りお土産を物色。
途中のPA/SAで仮眠取りつつ10時前に倉敷へ戻り、新倉敷で開店直後のスーパー銭湯に寄ってから帰宅しまして、「イカす温泉ブルベ」無事完遂であります。
今回もすっかり道草喰ったわりに16時間台で戻ってきたということは、当社比高速ブルベだったと云えるかも。
序盤の市街地走行がカラフルなラインになっているのがインターバル走行の軌跡。
ショウケ越はゆっくり上ってガツンと下る峠らしい峠の軌跡。
ゴール近辺は速度を落として登り基調であるかのようなペースです。
プロフィールマップ
ショウケ越はスコンと上ってます。轍による総上昇量は2277m。
タイムチャート地点 距離 到着予定
@GPS停車予定
@GPS到着時刻 停車時間 平均速度 DEPART 0.0km 8:15 8:13 26.6km/h 補給 40.0km 10:07 0:10 - - PC1 84.5km 11:48 0:10 11:37 0:07 呼子大橋 98.8km - - 12:15 0:11 23.9km/h 大和 101.9km 12:36 1:45 12:29 0:34 補給 102.6km - - 13:06 0:03 24.5km/h 外津橋 106.8km - - 13:21 補給 140.5km 16:34 0:10 - - 川古の大クス 161.1km - - 15:33 0:08 PC2 173.2km 17:57 0:15 16:09 0:10 みつば屋 183.6km - - 16:43 0:04 24.3km/h 山茶花の湯 208.1km 19:37 1:30 17:46 1:18 東背振トンネル 214.5km 21:25 0:02 19:34 0:01 18.5km/h 南畑ダム 221.3km - - 19:54 補給 242.3km 23:02 0:10 - - ショウケ越 252.0km 23:46 21:44 0:04 PC3 262.8km 0:11 0:25 22:09 0:31 補給 285.4km 1:53 0:20 - - 21.8km/h ARIVEE 309.0km 3:05 (4:57) 0:51 (3:11)