賢明な読者の皆様は既におわかりの通り、このタイトルは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をもじったものです。星空の夜をサイクリングするということの他に、このブルベ期間中の9/21が宮沢賢治の命日であること、更に彼の故郷花巻の近く（北上）を通ることがその理由です。
速く走れば9/21中に岩手県に入る、ということも想定しているのですが果たしてどうでしょうか。
4時半頃ベッドから起き出して顔洗って歯を磨いて出発準備。着ているものは全部洗ってすっかり乾いているので昨日と同じもの、それに一番寒い時間帯なのでウインドブレーカを着込んで5時8分出発。
最寄りのローソンで今日もPOCARIを買ってボトルに詰め、朝飯にはミックスサンドイッチを。（5:20-5:29）
ほどなく一人のランドヌーズと出会う。PC3近くのホンマ健康ランドで休まれたそうだ。
挨拶すると「ひらまつさんですか！ALPSLABありがとうございます！」とお礼を言われてしまった。ALPSLABには数人が今回のルートデータをアップしていたのだがいかんせん長いコースだからそれぞれ細切れだったので、全体ルートをALPSLAB上限の3000ポイントに絞ったものを作成してアップしていたのが有り難かったと。
単に自分用に作ってみただけなんですけどね。まさか憶えて下さっていたとは朝っぱらから嬉しいです、今日はいいことありそう（笑）。
こちらの方、後で知ったのだけどPBP完走者だそうだ。いや、今回に限ってはそれは珍しいことではないんだけど、女性一人で走っているというのはやっぱりすごいな。ついて行きます。と思いつつ先に行く（ぉぃ）。
風はあまり吹いていない。が、追い風ではないみたい。
日が昇ると徐々に気温が上がってくるのがわかる。6時を過ぎたらもうウインドブレーカ脱いでもいいかと思えたくらい。
ぽつぽつと参加者に出会いながら前に出たり牽いてもらったりしつつ郊外の田舎道という風情の道を走る。
そろそろ休憩が欲しいなと感じ始めた頃にセーブオン発見。GPSには全国のコンビニ４万件を登録してあるのだがセーブオンはデータ未収集／未登録（要するにそういうコンビニがあることを知らなかった）なのでわからなかった。
「金のビアンキって珍しいですね」と一緒になった方と話つつ２回目の朝の補給。カップヌードルにサラダ。野菜が不足気味になりがち。
そして昨日も時々会っていたこのランドナーがすごい。フォークに取付けられたキャリーバッグの把手は輪行時持ち運び用ではなく、ハンドルを伸ばして超アップライトポジションを取って休む（休みながらも走る）為のものだとか！結構年配の方とお見受けしましたがPBPジャージを着ておられた。
補給を終えてウインドブレーカを脱いで（7:16-7:37）、さぁ海へ向けて走れ！
三面川を渡ると日本海沿いコースの始まり。羽越本線に沿って北上する。
ラバネロのベストを着た人の後ろにつかせてもらってちょっと楽をさせてもらいながら。
まもなく今コースの白眉、「笹川流れ」に入ってくる。風はやや向い風だが青い空に青い海。素晴らしい景色がどこまでも続く。やっぱり海沿いはいいな。同じ日本海でも山陰とは表情が少し異なり、こちらの方が色彩のコントラストが強い感じ。
”そろそろ休憩が欲しいナ”
と思って見えてきた「道の駅笹川流れ」に入ろうと惜しいけど後ろを離れようと思ったらラバネロの方も一緒にそこへ入るとか。
道の駅といっても本物の鉄道の桑川駅と一緒である（笑）。
売店はまだ開いてなくてトイレ＆自販機休憩のみで自販機のグリコのアイスとコーラで一息。道の向かいの食堂は開いているようで、３台ほど停車していた。まだ時間は早いけど、なんとなく旨そうな予感がするのはなぜか。（8:44-8:53）
海岸線をひたすら走り続ける。先日走った淡路島の道路を思い出す。淡路島の方が道路が海に近いな、そりゃあちらの方が海は穏やかだもの。海の色はこちらの方が青くて深い。
そしてPC4に到着、だけどPCのコンビニには行かずその向こうの「道の駅あつみ」に直行。
まずはお手頃な焼き味噌おにぎり。甘い味噌味がなかなかおいしい。
次に何か珍しそうなソフトかアイスがないかと思って、だだ茶豆アイスに。
そしてコンビニに戻りレシートチェックの為の買い物にPOCARIを買い、先を目指す。（9:55-10:12）
小さい漁港を巡り小さくアップダウンをこなしつつ、そろそろお昼頃かという頃に湯野浜を通りがかるが、海沿いのコースには商店もないのでそのまま素通り、広い道へ出たところでサンクスで補給。
既に眠気が出てきた。またまたアイスとそれから目覚ましに眠眠打破、を選んだつもりで店外へ出て飲んでもコーヒー味がしない。味覚がマヒしてるのかなと思って瓶を見たらそれは眠眠打破の横に並んでいたアリナミンVだった。げげっ！寝ぼけとる！しかも飲む迄わからないとは...ぎょっとして目が覚めた。（11:32-11:40）
再び走り始め、大きな出羽大橋で最上川を渡ると酒井市街地。
昼食の目星をつけていた「海鮮どんやとびしま」はおそらく連休で超長蛇の列だろうから素通り、次の道の駅で何か食べよう。
と思うが郊外へ出たところでガス欠ストップ、自販機休憩。ん、ちょっとお疲れ気味かな。
そこから25分足らずで「道の駅鳥海」へ到着。やれやれ間が悪い。
やたら人が多くて早めに食べられそうなところがラーメン店「味の駅ふらっと」、名物と書いてあったサラダ冷麺を。
野菜を摂らなくちゃいけませんからね、ちょうどいいわ。ごちそうさま。
更にジュースも飲んでボトルにも補給してやれ、ゆっくりした。出発。
昼食時間は酒田で40分見ていた分をここで費やしたことになる。（13:10-13:51）
左手に日本海、雄大な鳥海山を右手に眺めつつ。角度によって表情を変える鳥海山を存分に味わえた。
仁賀保を過ぎた辺りだったか、昨夜のMTBの方と一緒になりそのまま「道の駅にしめ」に立ち寄る。
TOEIの方とも一緒になり、りんごソフトを食べつつ”今日はどこで仮眠です？”などと歓談。
さっぱりとした味で気分もほぐれた。さぁPC5まであと少し。（15:42-16:10）
走り出してまもなく夕暮れの気配、さすがに東日本は日の暮れるのが早いわ。
風は穏やかで風力発電風車はごくゆっくりと回っている。遠くに15基ほど山の稜線に並んでいるところもあったが、そこもゆーっくり回っている程度だった。あれがきっちり回っているようだととてもこの時間にはここにいないはずだ。
雲が多かったせいか、鮮やかな夕焼けは見られなかった。そろそろ日本海とお別れなので記念撮影に。
PC5に到着。ここは２つめのスタッフチェック。
「シークレット（PC）はないんですか？」と聞くと
「言えません。ゴールしてから言います。」とつれない返事（笑）。
そしてここでは乗鞍以来のAbさんに出会う。「今からならマース北上（入館25:00まで）間に合いますよね。」と言われるがこちらの予定ではチトかなり厳しい。まぁそれは後述の事があるからだが...
買い物をする必要はないのでチェックを貰ったらそのまま出発。（17:46-17:52）
今日の晩飯は、秋田市街地で一旦コースを外して（18:08）駅前まで。お目当ては回転寿司の「いちばん寿司」。市場内にある魚屋さんがやっている地元で人気の回転寿司なんだそうだ。
席につくと目の前にコンベアは動いているが寿司そのものは回っておらずお魚のメニュー板だけ回っている。今だけかもしれないが、注文を通して握ってもらう様だ。ならそれは願ったり。
といってもいつもみたいにバクバク食べるわけではなくて６皿のみに抑えておいて、125x3+170+315=1030円ナリ。
北海道産のほっき貝と肉厚のサンマ、しめ鯖が旨かったなぁ。ごちそうさま。（18:18-18:44）
その後秋田駅前まで出てお土産屋を探したのだけど存外に街が大きくて良くわからなかった。もっと下調べをしとくべきだったか。ちょっと無駄足をしてコースに戻る（19:03）。
ここでのロスタイムは55分と予定より15分オーバー。コースに復帰してその分がそのままGPS予定時刻からの遅れ分になった。
さぁ再び夜間走行。しばらく郊外の明るい夜の道を走る。
だんだんとクルマの数が減ってくると周りの灯りも減ってきて、坂にかかる。山というほどじゃないけどここに坂があるのは見逃していた。たらたらと登坂し上がりきった頂上付近のDVD販売店横の自販機で一休み。温かい缶コーヒー。（20:02-20:04）
一昨日が新月の夜だったので今夜も晴れていたとしても月明かりはなしの暗い夜。雲も多いので星はあまり見えない。
やっと大曲に到着。秋田での遅れを６分ほど取り戻していたものの既に北上へ行ける時刻の20時は１時間以上過ぎているので迷う余地なく健康ランドへ向かう。時間的・距離的にはもっと先へ進みたいところなれど、ここから先は仮眠場所に目星がない。残念ながら横手の焼きそばには届かなかったな。
健康ランドには既に10台近く来ている様だった。（21:24）
ひとっ風呂浴びてさっぱりした後、下半身中心に20分の整体マッサージを受けた。さっきの登りでやや腰に疲れを感じつつあったので。終わる頃にはふっと眠気が来るほどリラックスしてすっかり疲れが抜けた気分、これは2000円の大金（!!）かけてもやって良かったとブルベが終わった後でも思った。
仮眠室は既に一杯で床に転ぶ。寒くはないし床は薄いカーペットなので悪くはないが枕がないのがおさまり悪い。さっきバスタオル返してしまわなければ良かったと思いつつ目を閉じる。しかしなかなか意識が落ちない...昨夜もさして眠れていないのでこれはまずい展開。すぐに寝られないのは走るのが遅い事よりブルベでは不利な事になるのだ。
（本日の走行 311km、累積655km）
（つづく）