GPSで見るサイクル耐久2007

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今回の耐久レースでは、GPS:Garmin eTrex VentureCxの取得ログ間隔を1秒に設定しました。つまり1秒ごとにその時刻と自車位置の情報が得られております。3時間のレースなのでログ総数は3600×3+αで11,000を越えており、データがメモリカードに入るmicroSD対応機種ならではの力技と言えます。 ログはお馴染みカシミール3Dで読み込みまして各ラップごとに切り分けました。

▽周回別速度分布
まずは速度ごとに色分けした走行ログです。いつものサイクリングの時と異なり、赤54km/h〜紺22km/hという範囲を8色で分けてみました。

071008lapsall_s ←クリックで全27Lapの軌跡表示

これを見て窺えるのは速度ムラが多いこと、それは今回雨天の為慎重に走る場面が多かったのでブレーキ減速が頻繁にあったことを表しています。速度が出るはずのアトウッドカーブ、序盤は混雑していてここでの速度が上がっていません。
この図だけみると、今回の最速がLap2だったということはちょっとわかりませんね。
メインストレートで速度の早いLap6〜7(緑)、これは高速列車の後ろにつけたことを表しています。逆にバックストレートで速度の遅いlap21は、パワーバーをかじっていてペダル漕いでいなかった時です。

▼サーキット概略
さて、改めて岡山国際サーキットのコース概略です。 サイクル耐久の場合通常と逆向きの反時計回りに回りますので、メインストレートを過ぎて最初に曲がるのが最終コーナーになります。 その後ピットアウト合流地点の登り調子のマイクナイトコーナー。下りのホッブスコーナー&レッドマンコーナーの後パドック裏の短い下りストレート、そしてパイパーコーナーの後のリボルバーコーナーからヘアピンまでが一番勾配のある登り。バックストレートは緩い下りで700m直線、下り勾配が強く最も速度の出るアトウッドコーナーを回るとモスエスの緩いアップダウン、ウィリアムズコーナーからファーストコーナーまで緩い登りが続き、メインストレートに戻ってきます。

071008courseabc

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全長3,703m、高低差29m。

走行分析をするにあたり、上図の様にA,B,C3点のポイントを設定しました。

▽ラップタイム変化
次のグラフは全体のラップとA,B,C,各点でのラップタイムの変化です。参考に昨年の成績(26Laps)も併記しました。

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Lap8でタイムが突出しているのはピットインしたせいです。なので平均タイムはLap8を除いて点線で描いてあります。 昨年のタレ具合からすると後半の落ち込みがかなり少なくて済んでいます。”イーブンペースで走りたいなぁ”という希望をだいたいかなえられて満足、上出来。
Aまでの緩い登りのある区間は後半じりじりとタイムを落としています。Bまでの区間はタイム差がつかずほぼ同じ、Cまでの区間も差が付く度合いは少ない様で、C〜区間の緩い登りでは差がついている様です。

▽速度変化 次は4つの周回の速度変化を表してみました。最速のLap2、平均的なLap9、遅いLap23、最終Lap27です。

071008velocity

Lap2が速いのは最高速が出ているからではなく、速度の遅い登り区間で速かったということがわかります。メインストレートやバックストレート部分で速度が高いのは集団がばらけてなくてドラフティングが効いているのと、この頃は向い風が弱かったからでしょう。2時間を過ぎた頃から2本のバックストレートでは向い風が強まりました。もっとも今回はDHバーのおかげでその影響を軽減できています。パドック裏ストレートエンドでは50km/hを軒並み越えていますがそれはドラフティングなしです。
最終Lap27では最後スプリントかけて速度が上がってますが、最後で伸びきらずタレました(笑)。

▽コーナリング速度
下りより上りが大事、 ではありますが、ここでは下りの分析を。
アトウッドコーナーの走行です。上記より速度区分を細かく設定してあります。

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内側を通っているのが全体の最速Lap2、外側を回っているのがこの場所で速かったLap24です。 Lap2ではまだ集団が多く、途中ブレーキ減速していることがわかります。Lap24では大外から回り込んで(他車を抜いて)ブレーキかけずに早い時点で漕ぎを入れて減速を抑えています。ドライ路面ならコーナーに入るまでにもっと加速してもっと内側を速く回れているでしょう。